パッケージが独特なこのボードゲームについてのルールとレビューの記事になります。
世界観(フレーバー)
枯山水とは、水を使わずに自然山水の美を凝縮し表現した、日本庭園の一様式です。この発想は禅の精神に通じ、主に室町時代後期に発展を遂げ、江戸時代から今日に至るまで、優れた枯山水庭園が造られてきました。特に、禅寺の方丈前庭に造られた枯山水は、高度な精神性と芸術性を併せ持ちます。海外での評価も高く、日本の美を象徴するものの一つとして賛美されています。
このゲームでは、プレイヤーは禅僧となり、美しく洗練された枯山水庭園を造ることを目指します。自らの庭で、禅の精神と芸術性を最もよく表したプレイヤーが勝利します。
概要(ゲームの流れ プレイ人数 対象年齢 プレイ時間 作者)
枯山水の概要や基本的な情報をまとめました。
ゲームの流れ
波紋タイルを並べたり、奪ったりして自分の庭園ボードにタイルを敷き詰めていき、
積んだ徳を消費し石を獲得して、更に庭園を綺麗にしていきます。
最後に得点の計算をして勝敗を決めます。
プレイ人数は2-4人
友達や家族で遊ぶのに丁度いい人数です。
対象年齢は10歳以上が対象
得点の計算が少し難しいので、このぐらいが妥当かなと思います。
プレイ時間は約60~90分
人数や思考時間でかなり左右します。
作者やまだくうた
代表作:『ポストマンレース』『枯山水』『でんしゃクジラ』『エンデの建国者』など。
枯山水のルール
ルールは覚える事が沢山ありますが、すぐに覚えることができます。
終了・勝利条件
全員がタイルを全部並べ、枯山水が完成したら、終了になります。
その後、タイルや石の配置で得点を計算し、勝敗を決めます。
準備
始める前にいくつか準備が必要です。
寺院ボードを中央に置く
徳ポイントトラックと石置き場、波紋タイルの山札置き場です。
庭園ボードをプレイヤー各自に配る
このボードに波紋タイルを並べて枯山水を作っていきます。
また、右下に各自プレイヤーの色が割り振られています。
全ての波紋タイルを裏返し、よく混ぜいくつかの山にして積む
波紋タイルには、砂のみ描かれた砂タイルと苔も描かれている苔カード2種類あります。
プレイヤーの人数に合わせた石を、石置き場におく
➡石の種類
⇩人数 |
横石□ | 立石(小)△ | 臥石◇ | 立石(大)▲ | 舟石凹 |
2人 | 4個 | 5個 | 2個 | 3個 | 1個 |
3人 | 5個 | 6個 | 3個 | 4個 | 2個 |
4人 | 6個 | 7個 | 4個 | 5個 | 3個 |
庭園ボードと同じ色の禅僧駒と円相駒を各自受け取る
禅僧駒は手元に、円相駒は徳トラックの0に置きます。
禅僧駒はそれぞれ波紋タイルを一番最初に配置した時に自動的に設置されます。
庭園カード、作庭家カードをよく混ぜ、裏返しのまま各1枚ずつプレイヤー全員に配る
庭園カードはボーナス得点のカード、作庭家カードは記載された強力な効果がゲーム中に1度だけ使えるカードです。
早見表を配り、残ったコンポーネントを箱にしまう
コンポーネントをしまう際は、取り除かれたカード等がプレイヤーに見えないようにしまいましょう。
手番ですること
手番では、まず手番のプレイヤーが波紋タイルに関係するアクション4つの内1つを行い。
次に他のプレイヤーが手番のプレイヤーが配置した、その波紋タイル奪う略奪をするか選択します。
最後に手番のプレイヤーが徳や禅僧駒、作庭家カードに関するアクション4つの内1つを行い手番の終了になります。
波紋タイルに関するアクション(手番のプレイヤー)
手番のプレイヤーは最初に波紋タイルの山札から1枚引いて、そのカードをどうするかのアクションを4つの内から1つ選んで実行します。
配置
引いたタイルを庭園に配置します。
置いてあるタイルと隣接するようにおいて下さい。
最初に設置するタイルは庭園の左上か左下に設置し、その上に禅僧駒を置きます。
譲渡
引いたタイルを他のプレイヤーに譲り渡せます。タイルを譲渡した手番のプレイヤーは徳ポイントを2つ得ます。徳ポイントの上限は6までです。
タイルを譲り受けたプレイヤーはタイルを即座に配置します。
他の選択を最終決定する前に譲渡を持ち掛けたり、譲渡を募る事ができます。
複数の希望者がいる場合は手番のプレイヤーが譲渡先を決めます。
廃棄
引いたタイルを配置せずに捨て札にします。手番のプレイヤーの徳ポイントを1つ減らします。
徳ポイントは0以下がないので、徳ポイントが0のプレイヤーは廃棄する事ができません。
保管
引いたタイルを一時的に1枚のみ仮置き場に保管することができます。
保管したカードは手番の時しか配置出来ず、譲渡、廃棄することはできません。
保管していたタイルの配置は以下の通りで実行できます。
保管していたタイルを配置し、引いたタイルを配置(逆でも可)
保管していたタイルを配置し、引いたタイル保管(仮置き場は空けば再び保管出来る)
引いたタイルを譲渡し、保管していたタイルを配置
略奪(他のプレイヤー)
手番のプレイヤーが庭園に波紋タイルを配置した時に、その波紋タイルを他のプレイヤーが徳ポイントを2つ減らし略奪する事ができます。
手番のプレイヤーは略奪を拒否する事ができません。
略奪出来るのは、手番のプレイヤー引いたタイルを庭園に配置した時、保管していたタイルを仮置き場から庭園に配置した時の2パターンです。
複数のプレイヤーが略奪を宣言した際は庭園に波紋タイルが少ないプレイヤーが実行できます。
徳ポイントが2未満のプレイヤーは略奪をする事ができません。
徳や禅僧駒、作庭家カードに関するアクション(手番のプレイヤー)
波紋タイルに関するアクションを処理したのち、以下のアクション4つの内から1つ選んで実行します。
座禅
徳ポイントを1つ得る。
徳ポイントは下限が0、上限が6ポイントです。
禅僧駒の移動
庭園上の禅僧駒を上下左右1マス動かします。
タイルが配置されていないマスには移動できません。
石の獲得と設置
徳ポイントを全て消費して石を獲得し、配置します。
徳ポイント | 獲得できる石 |
0 | なし |
1 | 横石□ |
2 | 立石(小)△ |
3 | 臥石◇ |
4 | 立石(大)▲ |
5 | 舟石凹 |
6 | 獲得した石を自由に配置 |
獲得した石を置けるのは禅僧駒の置いてある縦列のみです。徳ポイントを6つ消費して石を獲得した場合はどこでも自由に配置できます。
禅僧駒がいるマスに石を配置する場合、禅僧駒を1マス動かすことができるボーナスが発生します。移動しなくても構いません。
舟石は1プレイヤー1個までしか獲得できません。
また、石は隣接して配置できません。(斜めは可)
例外として、苔タイル上にある石同士は隣接して配置する事が可能です。
作庭家カードの使用
手持ちの作庭家カードを1ゲームに1度使用できます。
作庭家カードの効果によってタイルを引く場合、無償で廃棄出来ます。保管、譲渡はできません。
作庭家カードの効果によってタイルを配置する場合、他のプレイヤーは略奪をする事ができません。
タイルは隣接させるルールに従って配置します。
作庭家カードの効果によって石を配置する場合は禅僧駒の場所の制限を受けませんが、それ以外のルールには従います。
ゲームの終了
いずれかのプレイヤーが15枚のタイルを全て配置したら、他のプレイヤーは譲渡や廃棄、略奪ができなくなります。
15枚配置し終えてるプレイヤーは、タイルを配置するアクションを飛ばし、徳や禅僧駒、作庭家カードに関するアクションのみ行います。
全員の庭園に15枚のタイルが配置されたら、その手番の終了と共にゲームを終了し、得点の計算に移ります。
得点の計算方法
沢山の種類の評価ポイントがあるので大変ですが、1つずつ確認してください。
波紋タイルの得点
少しややこしいです。
砂の基礎点
砂タイルのみで構成された最大の長方形1つ分
構成している砂タイル1枚につき1点
苔の基礎点
庭園にある苔タイル1枚につき2点
対称性ボーナス
横列の5枚が左右対称になっている場合、1列につき5点
渦ボーナス
完成させた渦の形によって点数が変わります。
真円の完成
円を構成しているタイル1枚につき2点
半円のみ
円を構成しているタイル1枚につき1点
砂紋の評価
繋がっていない砂紋の境界1か所につき2点減点
15枚全て繋がっていて乱れがない場合ボーナスとして7点の加点
砂タイル同士は横方向に必ずつながりますが、苔タイルはその限りではありません。
石の得点
石の得点も少し注意点があります。
石の基礎点
庭園に置かれている石、1種類につき2点
個数は得点に関係しません。
石組の評価
6種類あります。
桂馬置きボーナス
2×3のタイルの組み合わせで対角に石があると5点
石の種類や縦横の向きは問われません。
しかし、この範囲上に、ほかの石があると、適用されません。
斜め置きボーナス
3×3のタイルのうち、ひとつの対角線上に3つの石が配置されていると7点
石の種類は問いません。
しかし、この範囲上に、ほかの石があると、適用されません。
蓬莱山ボーナス
上段の横列にある苔タイル2枚に立石(大)▲2つが隣接して置かれている場合10点
このボーナスを獲得出来るのは1回のみ
三尊石ボーナス
上段の横列にある連続した苔タイル3枚に立石(小)△、立石(大)▲、立石(小)△の順で並んでいる場合15点
このボーナスを獲得できるのは1回のみ
臥石ボーナス
中央の縦列にある臥石1つにつき3点
舟石ボーナス
下段の横列に舟石を置いている場合3点
庭園カードの得点
自分が配られた庭園カード通りに石を置くことができていたら。記載されている点を得る事ができます。
また、図に書かれてる以外の場所に石が配置されていても点数を得る事ができます。
徳の得点
最終的に持っている徳や1点につき1点
枯山水のレビュー
何回か友達とやってみて思った事をレビューします。
ベスト人数
多い方が波紋タイルも多くめくれるし、略奪や駆け引きが楽しくなるので、4人がベストだと思います。
逆に2人からとなっていますが、2人でやるのはオススメしません。
面白かった点(コンポーネントやシステム)
コンポーネントが綺麗で、とてもワクワクします。
得点計算をある程度頭に入れてゲームをするとかなり悩むことが多く、ジレンマを楽しむことが出来ました。
『徳積むわー』や『そのタイルよこせ』等カオスな感じで面白かったです。
コスパ
値段は高いですが、戦略や狙う得点源を変えれば、試行錯誤しながらずっと楽しめるボードゲームだと思いました。